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「出会いはパブで」
皆さんこんにちは。出張でブリスベンに来ています。
ところで、ブリスベンの街中のパブはどういうわけか、アイリッシュパブと呼ばれているところが多いんです。先日、そのうちの一つに入ってみました。カウンターでビールを注文。ふと見ると、なんだか私と話したそうにしている笑顔の男性と目が合ってドキッ。私は、まだその趣味がないんですが。
「一人ですか。私はコリン。一緒にこっちで飲みませんか」。私は、ややぎこちなく、「ハイ」と答えてしまいました。「あっちは妻のシャーロンです」。ああ、ご夫婦で来ていたのでした。安心しました。「パブで、一人で飲んでいる人をみると必ず挨拶することにしてるんですよ」。奥さんがニコニコしながらそう言うんです。なんだか急に嬉しくなってしまいました。
そのうち、シャウトが始まりました。こちらでは、何人かが飲んでいたらまず、一人が全員の飲み物を買い、次々にその番が変わっていくんです。これをシャウトといっています。自分の番がきたときに知らん振りでもしようものなら、もう二度と誘われないでしょう。仲間扱いされなくなるのです。
コリンは、アイルランド系オーストラリア人で、ギネスビールの大きなグラスでぐいぐいいっています。私は、小さなグラスでビールぐいぐい。すきっ腹だったので酔いも早かったです。
最後に奥さんが、「子供さんはいるの? たとえ、養子でも自分の手でこうして抱くと本当に愛情がわいてくるのよ。今からでも遅くはないわ」。彼女も、シャウトのお陰で悪酔いしているようでした。
オーストラリアのパブは、ビールのグラス越しに人生の縮図を垣間見る場所、なんてほろ酔いかげんでブリスベンの坂道を千鳥足。そして、メルボルンに置いてきたオランダ系の連れ合いと、今夜も一緒に寝ているであろう猫のルーシーを思いました。帰ったときは、嫌がるルーシーもこの手でしっかり抱いてあげようと思いました。
プロフィール:石原 敏郎
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